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「十二夜」音楽制作記③

舞台「十二夜」音楽制作記②から続く

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様々なインプットを経てイメージが具体的になってきたところで、いよいよ作曲に着手。

とは言え比較的期間に余裕があったので、あまり気張らずアイデアが湧いたら譜面アプリやボイスメモに残し、推敲しながら肉付けしていく工程を繰り返してストックを増やしていった。

私の作曲場所はいつもピアノの前だ。ピアノで遊び弾きしているうちにアイデアの種が形になっていく。万能で懐の深い大好きな楽器。

でも今回は敢えてピアノが入らない編成を選んだ。オンステージでの演奏ということもあり、”イリリア”の世界にピアノがあることの違和感の方が大きかった。また、クラリネット・撥弦楽器・パーカッションというある種制約のある編成でどんな景色を描けるか挑戦してみたいとも思った。ミュージシャン仲間から今回の編成を聞かれ答えると驚かれたり、面白がられたり、中には「らしいね」と言ってくれる人もいて、その度このチャレンジを楽しみたい気持ちに拍車がかかった。

それもあり今回はじめてギターでの作編曲にもチャレンジしてみた。ギターでしか生み出せない音楽がある、と常々憧れがあった。ギターは全く弾けないなりの曲作りだけれど、今回少し新しい景色が見えた気がする。

メイン楽器以外の楽器編成をどうするか、も一つの肝だった。

当初からオンステージでの演奏というのは決まっていたので、スペースの制約は常に頭にあった。
また、音のアイディアを探るため楽器レンタルの三響社(いつもお世話になっています)に出向き、実現可能なプランを固めていった。

ことパーカッションに関しては実際のセッティングをイメージしながらアレンジを進めていった。この点は楽曲の理想と演奏の現実を身をもって知っている私ならではのアプローチかもしれない。

譜面はDorico pro、デモ音源はLogicで制作。パーカッションは宅録で加えたりも。
そして今回は歌曲もありということで、仮歌制作のためにsynthesizer vというAI歌唱ソフトを導入してみたのだが、AI歌唱表現の現在地には驚かされた。

今回の制作には締め切りというものが特に無い。

なので稽古開始から逆算し、自分の演奏のスケジュールとの兼ね合いも考えながら自分なりに期日を定めてみた。これはビジネス書籍「7つの習慣」からの学びの実践の一つだが、このやり方は結構性に合ってるかも。

演出の森さんとメールでやり取りしながらアイデアを提案したり、新たにキーワードを頂いたりしながらイメージを擦り合わせていく作業は非常に有意義で楽しい。

この机上のやり取りが実際の舞台として立ち上がった時どんな画が観られるのか、とてもワクワクしている。

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つづく